![]() 骨セメント組成物
专利摘要:
造血剤、血管形成剤および骨分子シグナリング成分の組合せを用いて、骨髄成分を刺激することで、骨の治癒およびリモデリングを促進する骨セメント組成物が記載されている。 公开号:JP2011513034A 申请号:JP2010550818 申请日:2009-03-10 公开日:2011-04-28 发明作者:マーコスカイ,ジェイ・アレクサンダー 申请人:マーフライ・2・リミテッド・パートナーシップMarfly 2, Lp; IPC主号:A61L27-00
专利说明:
[0001] 本教示は、概して、骨の修復および成長を促進するための方法ならびに組成物、特にさらには骨粗鬆症およびその他の骨の症状の治療方法に関する。] 背景技術 [0002] 骨粗鬆症は、骨の実質、密度および強度の進行性の損失によって特徴づけられる疾患または症状である。骨組織の損失に加えて、および付随して、骨を作る血液成分の骨髄から造血組織が損失する。血液成分は、赤血球、白血球、血小板、これらの細胞の前駆細胞、および骨髄に一般的な他の細胞を含む。造血組織の損失が、骨基質の機械的な損失によるのか、あるいは生物学的、ホルモン的または生化学的にもたらされているのかは、現時点では未確定である。ヒトおよびその他の脊椎動物における様々な骨の疾患、損傷または外科的介入によって、骨の欠損および骨折が生じる。これらの症状を軽減するために、骨の成長または復元がしばしば望まれる。骨が以前は存在していたが、現在、部分的にまたは完全に存在しない領域、または骨の連続性が崩壊している領域には、骨の成長が望まれていることがある。そのような骨の再生が必要であり、または望ましい状況には、骨折の治癒、骨折の予防、または骨粗鬆症の骨における骨量増加が含まれる。] 発明が解決しようとする課題 [0003] いくつかの骨の成長を促す組成物が、知られており、例えばGrafton(登録商標:Osteotech, Eatontown, N.J.)として商業的に入手可能である。これらの組成物は、ゼラチン、ヒアルロン酸、コラーゲン、アミロペクチン、鉱質除去された骨基質、および/または炭酸カルシウム等の成分を含む、多孔性の固体、半固体、糊状またはゲル状の材料からなる。しかし、これらの組成物はいずれも骨髄の造血成分の再生を誘導しない。また、これら組成物には、造血および血管形成を刺激する薬剤が配合されていない。] 課題を解決するための手段 [0004] 簡単な発明の概要 1つの側面において、本教示は、少なくとも1つの造血剤、少なくとも1つの血管形成剤、骨分子シグナリング成分、多孔質の骨を含む構造成分、およびゲルコンポーネントを含有する組成物を提供する。] [0005] もう1つの側面において、本教示は、エリスロポエチン、エリスロポエチン増殖因子および造血因子からなる群から選択される1つまたはそれ以上の造血剤(ここで、増血剤は、組成物の体積当たり10〜50000Uまたは3%以下の量で存在する);中分子量〜高分子量のキトサンコンポーネントおよびヒアルロン酸コンポーネントからなる群から選択される1つまたはそれ以上の血管形成剤;鉱質除去された骨基質および脱灰されていない骨基質を含み、必要に応じてヒアルロン酸と組み合わされる骨分子シグナリング成分(ここで、硬質除去された骨基質は、組成物の体積当たり5〜50%で存在する。脱灰されていない骨基質は、組成物の体積当たり5〜50%で存在する。ヒアルロン酸が存在する場合、ヒアルロン酸は、組成物の体積当たり5〜20%で存在する。);多孔質の骨を含む構造成分(ここで、多孔質の骨は、長径が0.1〜1.5mmに粉砕されており、組成物の体積当たり10〜50%で存在する。);ならびに、キトサン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、ヘパランおよびこれらのいずれかの組合せからなる群から選択される化合物を0.5〜25%(w/v)濃度で含むゲル成分を、含有する骨セメント組成物を提供する。] [0006] もう1つの側面において、本教示は、キチン、キトサン、アルギン酸塩、ヘパランおよびヒアルロナンの少なくとも1つを含むキャリアーのカプセルに包まれた少なくとも1つの造血剤(ここで、キャリアーは、造血剤を続けてゆっくりと放出するよう設計されている);少なくとも1つの血管形成剤;組成物の体積当たり5〜50%で存在する鉱質除去された骨基質、組成物の5〜50%で存在する脱灰されていない骨基質を含み、および必要に応じてヒアルロン酸を含む骨分子シグナリング成分;多孔質の骨を含む構造成分(ここで、多孔質の骨は、長径が0.1〜1.5mmに粉砕されており、組成物の10〜50%で存在する。);ならびに、キチン、キトサン、アルギン酸塩、ヘパラン、ヒアルロン酸、およびアルギン酸塩とキトサンの組合せ、およびヒアルロン酸とキトサンの組合せからなる群から選択される成分を0.5〜25%(w/v)濃度で含むゲルコンポーネント(ここで、ゲルコンポーネントは、組成物の体積当たり10〜80%で存在する。)を、含有する組成物を提供する。] [0007] もう1つの側面において、本教示は、組成物の体積当たり、1%以下の1つまたはそれ以上の造血剤;2%以下の1つまたはそれ以上の血管形成剤;70%以下の構造成分;40%以下の骨分子シグナリング成分;および20%以下のゲル成分を含有する骨セメント組成物を提供する。] [0008] ここで用いられている用語「多孔質の骨」とは、造血性成分およびその他の細胞性成分が存在しない骨髄部分を表し、代表的には、ヒトもしくは動物の組織または死体に由来するものが挙げられる。] [0009] 用語「造血性(hemopoietic)」、「造血性(hematopoietic)」、「造血性(hematogenous)」および「赤血球系造血性(erythropoietic)」とは、その性質を有する組織を表すように、ここでは用いられており、その組織は、赤血球、白血球、血小板、および多孔質の骨のすき間に見出される典型的な組織等の、血液成分および血液前駆体で構成されるもの、および/または、当該血液成分および血液前駆体を生産するもの、である。] [0010] ここで用いられている用語「造血因子(hemopoietic factors)」、「造血因子(hematopoietic factors)」、「造血因子(hematogenous factors)」および「赤血球系造血因子(erythropoietic factors)」とは、造血性(hemopoietic)、造血性(hematopoietic)、造血性(hematogenous)および赤血球系造血性(erythropoietic)の組織の形成を、惹起し、および/または、刺激することができる物質を表す。] [0011] ここで用いられている用語「造血効果がある(hemopoietically effective)」とは、ヘマトクリット値の増加、ヘモグロビンの刺激、網状赤血球応答(reticulocyte response)の刺激増大、鉄動態における活動発展、および赤血球の大きさの変化からなる臨床効果の1つまたはそれ以上を生じさせる一定量の物質を表す。この一定量の物質には、「造血効果がある(hematopoietically effective)」、「造血効果がある(hematogeneously effective)」および「赤血球系造血効果がある(erythropoietically effective)」のいづれかとして代替的に表されうる一定量の物質も含まれる。] [0012] 用語「造血剤(hemopietic agent)」とは、生物組織または有機体に投与された際、造血の刺激増大、ヘマトクリット値の増加、ヘモグロビンの刺激、網状赤血球応答の刺激増大、鉄動態における活動発展、および赤血球の大きさの変化からなる臨床効果の1つまたはそれ以上を生じさせる物質を表す。ここで用いられている用語「造血剤(hemopietic agent)」には、「造血剤(hematopoietic agent)」、「造血剤(hematogeneous agent)」または「赤血球系の造血剤(erythropoietic agent)」のいづれかとして代替的に表されうる物質も含まれることが意図されている。] [0013] 「血管形成成分」には、循環系の必要を満たすように、新生血管の成長および移植組織片の進入を生じさせる物質を表す。これらの物質の中には、キトサン、ヒアルロン酸塩、ヘパラン、アルギン酸塩、アンギオゲニン、血管内皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子、血小板由来成長因子、組織増殖因子(tissue growth factors)、赤血球系造血因子(erythropoietic factors)およびその他が含まれるが、それ以外を排他するものではない。] [0014] ここで用いられている用語「鉱質除去された骨基質」(DBM)とは、鉱質除去され、粉末にされた皮質のまたは多孔質の骨を表す。この定義において、それにも関わらず、もともとの鉱質のうち8%まで残存していてもよい。例えば、酸、通常は0.6N塩酸で粉末の骨を処理することで、鉱質の除去が達成される。皮質の骨は、ヒトまたは動物の死体を含むいかなる供給源からでも得ることができる。DBMには、骨細胞誘導性増殖因子(osteoinductive growth factors)が含まれていることが知られている。] [0015] ここで用いられている用語「脱灰されていない骨基質」(NBM)とは、鉱質除去されていない、粉末にされた皮質の骨を表す。NBMには、骨細胞誘導性増殖因子が含まれていることが知られている。] [0016] ここで用いられている用語「骨組織誘導性(osteoconductive)」とは、周辺組織由来の骨形成細胞を内部成長させ、順応させる環境を提供する成分を表す。そのような成分としては、一般には多孔性の成分、すなわち多孔質の骨と同様の格子状の構成物を提供するものが挙げられる。] [0017] ここで用いられている用語「骨形成の(osteogenic)」とは、新しい骨を形成するプロセスを表す。この形成には、シグナリング分子、調節分子および形質転換分子が必要である。] [0018] ここで用いられている用語「骨細胞誘導性(osteoinductive)」とは、前駆細胞、特に間葉幹細胞から骨芽細胞の産生を惹起する成分の活性を表す。骨細胞誘導性の成分は、前駆細胞と相互作用をして骨芽細胞の分化を誘導する成長因子として直接、作用をしてもよい。あるいは、骨細胞誘導性の成分は、骨細胞誘導性増殖因子の産生を惹起することで、間接的に作用してもよい。この惹起には、またシグナリング分子、調節分子および形質転換分子が必要である。] [0019] ここで用いられるとき、用語「生体適合性の(biocompatible)」とは、組成物に組み入れた際、毒性が低く、生体における異物反応が許容でき、および生体組織との親和性がある成分を表す。] [0020] ここで用いられている用語「骨分子性シグナリング成分(bone molecular signaling material)」とは、前駆細胞、特に間葉幹細胞から骨芽細胞の産生を惹起する活性を有する成分を表す。骨細胞誘導性の成分は、前駆細胞と相互作用をして骨芽細胞の分化を誘導する成長因子として直接、作用をしてもよい。あるいは、骨細胞誘導性の成分は、骨細胞誘導性増殖因子の産生を惹起することで、間接的に作用してもよい。この惹起には、またシグナリング分子、調節分子および形質転換分子が必要である。] [0021] ここで用いられている用語「キチン」とは、ポリ(1,4)2−アミノ−2−デオキシ−β−D−グルカンを表す。これは、例えば、多くの真菌の細胞壁の構造コンポーネント、昆虫および甲殻類動物の外皮を構成する、生物学的に豊富な多糖類である。アセチル化の程度は、約50%であってもよい。] [0022] ここで用いられている用語「キトサン」とは、N−脱アセチル化されたキチンを表す。脱アセチル化は、一般には、キチンを水酸化ナトリウム等のアルカリで処理することで成される。アルカリ処理の量、および処理にさらされる時間を制御することで、N−脱アセチル化の程度を制御できる。キトサン多糖類の長さは、例えば1N塩酸または酵素処理で高分子量の分子を分解することで、減少させることができる。キトサンは、酸性溶液では、1%(w/w:1%(v/v)酢酸溶液中)ほどの低い濃度でゲルを形成する(Bodmeier et al., 1989, Drug Devel. & Ind. Pharmacy 15: 1475)。キトサンは、pH6.5以上では不溶性である。キチンとキトサンは、荷電した基(すなわち、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、リジン、ビニル等)で架橋させて、強固に結合した重合体を得ることができ、固体または管状構成物を形成できる。キトサンの様々な他の特徴および有用な操作についての情報については、例えば、PCT出願公開WO98/22114を参照下さい。本公開の内容は、参考として本出願に組み込まれる。] [0023] 本発明で使用するためのキチンまたはキトサンの形態については、他のいかなる形態のものより必然的にもっと有用であるような特別な形態と思われるものは無い。] [0024] ここで用いられている用語「アルギン酸塩(alginate)」とは、褐藻から得られる(1,4)−α−L−グルロン酸とβ−D−マンヌロン酸の共重合体を表す。2%のアルギン酸塩の溶液がカルシウム等の2価カチオンと相互作用をすると、ゲルが形成される。アルギン酸塩の特徴についての追加情報は、Gaserod O, Smidsrod O, Skjak-Braek G., 1998, Biomaterials 19(20): 1815-25を参照下さい。] [0025] ここで互換的に使われている用語「ヒアルロン酸」および「HA」とは、多様な鎖長と分子量を持つグリコソアミノグリカン(glycosoaminoglycans:「GAG」)の共重合体を表す。] [0026] ここで用いられている用語「ヒアルロナン(hyaluronans)」とは、血管形成および特に血管内皮細胞の成長と移動の重要な制御因子として作用するグリコソアミノグリカンの有機塩または無機塩を包括的に表す。] [0027] ヘパランとは、多くの種類のヘパリン分子のいずれかを表す。 用語「1〜n」は、増殖因子の名前と共に用いられている場合に、既知のおよびまだ未発見の増殖因子の様々な形態が含まれることが意図されていることを意味する。] [0028] 他に示されていない限り、組成物の種々成分の相対的な含有率を表すすべての百分率は、組成物の全体積に対する体積の百分率を表す。] [0029] ここに引用されている参考文献の各々の内容は、その全体が参考として本出願に組み込まれる。] [0030] 本発明は、骨髄成分の刺激が骨の修復を促進するとの驚くべき発見、ならびにさらに、鉱質除去された骨基質、および/または粉末にされ、もしくは削られた多孔質の骨等の骨分子シグナリング成分とキトサンとの組合せが、脊椎動物において完全な造血および骨組織の形成と成長を達成する上で、特別によく適しているとの驚くべき発見に一部基づいている。これらの組成物および方法は、特にヒトおよび他の哺乳動物において、特に骨の修復が必要な場合に、造血および骨形成を刺激するために有用である。例えば、これらの組成物および方法は、骨外傷、または疾患の進行もしくは加齢によって変性した骨になった骨の修復に特に有用である。] [0031] 造血が骨の形成および成長を惹起させるための極めて重要で決定的な因子であるとの、以前は真価が認められていなかった発見を利用して、この組成物が案出された。(骨髄とは対照的に)骨は乏血性(hypo-vascular)であるために、このことは、驚くべきであり、予想できない発見である。従って、造血刺激因子(hemopoiesis-stimulating factors)が、骨の形成及び成長に効果を有することは予想できない。特定の血管形成刺激因子(angiogenesis-stimulation factors:例えば、キトサン、ヒアルロン酸、ヒアルロナン、キチン、アルギン酸塩、赤血球系造血ホルモンまたは因子(erythropoietic hormones or factors)、血管内皮細胞増殖因子、血小板由来内皮細胞増殖因子(platelet-derived endothelial cell growth factors)、塩基性線維芽細胞増殖因子、インターロイキン−8、および血管形成刺激因子(例えば、キトサン)の生成を刺激することが知られている他の成分を含む。)が、障害を受けた骨または変性した骨に充填するための材料の有用な成分として考えられていた。しかし、血管形成剤のみを含む組成物を含んで、従来知られていた骨修復組成物を用いて得られる骨形成に比べて、ここで記載する組成物および方法は、驚くほどに骨形成を増進する。言い換えると、ここに記載する組成物は、骨の多孔質部分のすき間にある組織の活性を引き出すことで、骨の形成を促進する。このことを血管形成剤と造血剤との組合せが刺激できること、さらに造血組織が生み出されて骨の再成長を部分的に促進できることを、本発明者が確認した。] [0032] このように、本発明の組成物は、少なくとも1つの造血剤、血管形成剤(すなわち、血管形成刺激剤)、骨分子シグナリング成分、構造コンポーネント、および例えばゲルまたはゲル様物質等のキャリアー物質から構成される。1つまたは複数の造血剤は、全組成物の体積当たり5%以下で存在し、好ましくは、例えば組成物の体積当たり3%以下で、組成物の体積当たり2%以下で、組成物の体積当たり1%以下で、または組成物の体積当たり0.5%で存在する。代わりに、造血剤または複数の造血剤の組合せは、全体で10〜50000単位の量で加えられる。該キャリアー物質は、組成物の容易な流動性と容積測定的な形状を備え、残存するコンポーネントを共に保持し、その残存するコンポーネントをゆっくりと放出させ、組成物の移植部分からの全体としての移動を抑える。] [0033] 本発明の組成物に使用されてもよい特定の成分が、上記コンポーネントの1以上のものとして役に立ってもよいことは、強調されるべきである。また、組成物は、必要に応じて、骨の修復およびリモデリングに寄与する付加的な補助因子または成分を含有する。また、未知のメカニズムを通して骨の修復およびリモデリングを促進する、まだ認識されていない成分を含有してもよい。] [0034] 骨の形成および/または成長が望ましい場所、例えば骨の変性または損傷の箇所に、本発明の組成物を設置する場合、骨の修復および治療の望ましい目的を達成するために、本組成物のコンポーネントは一緒に作用する。血管形成剤は、新しい骨の形成プロセスに不可欠な、受容者の存在する組織からの新血管系の成長を刺激する。骨シグナリング成分は、前駆細胞、特に間葉細胞からの、骨を形成する骨芽細胞の形成を惹起する骨誘導コンポーネントである。造血剤は、血液の前駆細胞および細胞の形成を刺激する。それによって、フィードバックループにより、さらに血管形成および骨形成の機能が刺激される。キャリアー成分、例えば生体適合性ゲルは、残存するコンポーネントを保持し、骨の形成および再成長のプロセス全体の実体的な部分に対応する期間に亘ってこれらコンポーネントが局所環境に放出されるようにその成分をゆっくりと放出させる。各々のコンポーネントの成分の選択、組成物への特定コンポーネントの相対的寄与、および特にキャリアー成分の選択と相対的な量は、目的とする用途に従って最終組成物の特性を調整するために、変更することができる。例えば、キャリアー成分は、容易な流動特性を与えるために、より流動性のある生体適合性のゲルから選択することができる。これによって、組成物が、標的とする組織の空間を容積測定的に充填して、また増殖因子を活動箇所に運ぶように組成物を当該局所に適合する。例えば、相対的に小さな、狭いまたは近づけない組織の空間が標的修復箇所である場合、より流動性の高い組成物が好ましいであろう。線維性の傷跡を形成する組織、および欠陥、空隙等を生じさせうる他の組織の内部形成は、正しい骨形成を妨げるかもしれないが、それを、上記の充填操作が妨げるのに役立つ。というのも、そのような内部形成された組織の周りに形成される骨はいずれも弱く、骨折や機能不全になるかもしれないからである。他の適用として、例えば、長骨の大きな欠陥を包むためには、より流動性が低く、より糊状の組成物が好ましいであろう。そのような適用では、キャリアー成分としてより流動性の低いゲルを選択するか、代わりのキャリアー成分を選択してもよい。組成物と標的とする組織との密着を適合させるために、キャリアー成分は粘度および密度において変更され、決定されてもよい。開放型手術で標的組織が広く露出する状況においては、パテまたは成型可能なゲル等のより高密度の組成物が有用であり、困難性もなくその箇所の中に押し付け、または成型することができる。例えば、開放的に暴露して修復されている骨折には、パテによる密着が理想的であろう。しかし、標的組織が細い針で経皮的に接近される狭い凹部であれば、全体的により粘度が低く、より密度の低い組成物が好ましい。そこで、望ましい密着を達成するために、残る活性成分の濃度を減らしてもよい。例えば、目的とする用途が脊椎への組成物の注入であれば、より大きなゲージ針(例えば、8ゲージ針)を使用することが好ましいであろう。従って、組成物は、パテ様の密着性を有する組成物とまでは行かないが、比較的に粘性を有していてもよい。代わりに、目的とする用途として、接近を達成するために、より細い、例えば25ゲージ針が必要な狭い凹部である脊柱の背側連結(posterior articulation)に組成物を注入することを含むものでもよい。そのような処置には、十分な流動性を達成するために、比較的、より希釈され、より粘度が低い組成物が好ましい。] [0035] いかなる既知の造血剤およびいかなる既知の血管形成剤も、本発明の組成物に有用である。適した血管形成剤の非限定的な例としては、ヒアルロン酸、ヒアルロナン、ヒアルロナンの誘導体または複合体;アルギン酸塩、またはアルギン酸塩の誘導体または複合体;キチン、キトサン、キチンまたはキトサンの誘導体、エリスロポエチン、内皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子、および血管形成因子、およびこれらのいずれかの組合せ等の、血管形成を惹起する個別の増殖因子である。] [0036] 適した造血剤の非限定的な例としては、エリスロポエチン、エリスロポエチン増殖因子、造血刺激ホルモン、造血因子、造血刺激物質、ヘパリン、ヘパラン、デルマタン、デキストラン、またはこれらのいずれかの組合せ、および匹敵する造血活性(当技術分野で知られた生物試験により機械的に決定されうる)を有する他の因子である。] [0037] キトサン、その複合体および誘導体、ヒアルロン酸、ヒアルロナン、その複合体および誘導体、アルギン酸塩、その誘導体および複合体は、それぞれ異なる分子長および分子量、特徴および機能を有するために、それら成分各々の正確な量、すなわち本組成物のその特定物質の相対的な量は、本技術分野の通常の知識を有する者に知られた原理に従って、特に移植片の流動性または結果として得られる硬さ等の組成物の望ましい特徴を達成するために変更することができる。] [0038] 血管形成剤として使用される成分の血管形成の性質は、当技術分野で知られる様々な試験で確証し、確認することができる。その性質には、例えば、その成分の徐放性重合体への編入、およびその重合体のウサギの角膜への移植が含まれる(Phillips et al., 1997, Wounds9:1)。同様に、ある成分の造血活性は、造血活性または赤血球系の造血活性に関してよく知られた試験によって確認することができる。その試験とは、例えば、ヘマトクリット値の測定等であるが、これに限定されるものではない。] [0039] 本発明の組成物に有用な骨細胞誘導性の化合物には、これらの特徴を有することが知られている精製された成分が含まれる。それらの成分は単独または様々な組合せで、骨形成タンパク質(1〜n)、形質転換成長因子(TGF)(1〜n)、インスリン成長因子(IGF)(1〜n)、血小板由来増殖因子(PD−GF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)(1〜n)、腫瘍壊死因子(TGF)、インターロイキン(IL)(1〜n)、様々なサイトカイン、及びビタミンD(1〜n)等のビタミンが含まれうる。] [0040] キトサンは、また間葉幹細胞の骨芽細胞への分化を促進することが示されており(Klokkevoid et al., 1996 J. Periodontology 67:1170)、そこで、間葉−骨芽細胞分化プロセスの少なくとも一部を刺激することに役立ちうる。] [0041] 特定の複合体成分は、また骨細胞誘導性分子の供給源として都合よく働くことができ、かかる成分およびそれらの組合せは骨または細胞シグナリング成分として働く。骨組織誘導性分子は、鉱質除去された骨基質(DBM)によって提供されることが知られている。このDBMは、皮質の骨組織を(一般には100〜500μmのふるいの粒子サイズまで)すり砕いて、その後、粉末の組織を塩酸(一般には0.5〜1N)で処理することで調製される。参照:例えば、Solheim, 1998, Int. Orthop. 22:335-42。DBMは、例えばGrafton(登録商標:Osteotech, Eatontown, N.J.)、Dynagraft(登録商標:GenSci, Irvine, Calif.)として商業的に入手可能である。しかし、DBMの調製で使用される酸処理プロセスが未処理の骨の中に存在する骨形成分子のいくつかを変性および/または可溶化させ、それによって、変性された分子の骨形成の性質を破壊し、またはDBM調製品からそれらの分子を分離していると信じられている。従って、骨細胞誘導性分子の好ましい供給源は、酸処理されていない粉末にされた皮質の骨組織である、脱灰されていない骨基質(NBM)である。NBMとDBMとの組合せは、また骨細胞誘導性分子の供給源として、組成物の中で有用である。ヒアルロン酸の追加は、その混合物の骨細胞誘導性活性をさらに増進しうる。代わりに、ヒアルロン酸塩とキトサンとそれらの誘導体との組合せは、都合よく、骨細胞シグナリング成分として用いられる骨細胞誘導性の性質を有している。かかる組合せは、NBMとDBMとの組合せと組合せて用いてもよい。] [0042] 化合物の骨細胞誘導性の性質は、DBM中の骨細胞誘導性と考えられている化合物を含有するウサギ頭蓋骨膜中の移植片の周りに形成される海綿骨に対して、組織形態計測的な分析等の公知の方法を行うことで確認してもよい。参照:Kibblewhite et al., 1993, Growth Factors 9:185等。] [0043] ここで用いられている用語「骨細胞シグナリング成分」は、例えばDBMとNBMとの組合せを含みうる骨細胞誘導性成分である。典型的には、DBMは組成物の体積当たり5%〜50%の量で存在し、NBMは組成物の体積当たり5%〜50%の量で存在する。骨細胞シグナリング成分としてDBMとNBMとを一緒に使用するのは、好ましい態様である。観察に一部基づけば、構造的な同種移植片で実行した融合物(NBM:DBMを無しで、または追加して)は、DBMのみを用いる融合物よりも、より良く治す。DBMとNBMとの組合せを用いる場合、いかなるDBM:NBMの(体積)比のものが使用できるが、例えば10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、および1:10が含まれる。DBMとNBMとの組合せを用いる場合、ヒアルロン酸が、必要に応じて組成物の体積当たり5%〜30%に等しい量で骨細胞シグナリング成分として組成物に含有される。] [0044] 組成物の1またはそれ以上のいずれのコンポーネントも、カプセル化成分(例えば、小胞、ミセルまたは小嚢のカプセル中に成分を包む成分)で構成される、小胞、ミセルまたは小嚢等のキャリアーの構成物の懸濁液として、調製することができる。例えば、小胞、ミセルまたは小嚢のカプセル中に包れるコンポーネントを調製する1つの方法は、小胞、ミセルまたは小嚢の外皮を形成することになるカプセル化キャリアーを含む溶液の中に、1つまたは複数の目的のコンポーネントを一滴づつ非常に小さく、管理されたpH、温度およびキャリアー濃度の下で滴下する方法である。この方法によれば、キャリアーの構成物の中に、秩序ある量の目的のコンポーネントを組み入れることができる。小胞、ミセルまたは小嚢を形成する当技術分野で知られた他の方法も、使用することができる。] [0045] 1つまたは複数の構造成分は、受容者の新血管系および骨形成細胞の発達のための方向と構造を与える。この目的に有用な成分としては当技術分野で知られており、例えば、ヒドロキシアパタイト−キトサンと硫酸化キトサンとの混合物、米国特許5830493、5563124、5755792、または5711957に記載された成分、DBM、または好ましくは、多孔質の骨、キトサン、キトサンとヒアルロン酸塩との混合物、アルギン酸塩、アルギン酸塩の混合物、キトサンタンパク質線維、およびキチンタンパク質線維が含まれる。多孔質の骨は、死体を含むいかなる供給源からでも得ることができる。多孔質の骨を構造成分として使用する場合、多孔質の骨は、好ましくは長径が0.1〜1.5mmに粉砕されている。模範的な実施態様において、多孔質の骨は構造成分として用いられる。いかなる生きた細胞を供給することは知られていない。代わりに、構造成分として用いるために、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムおよび他のカルシウム塩は、単独またはキトサン、ヒアルロン酸塩またはアルギン酸塩と組合されて、結晶に作ることができる。] [0046] 構造成分は、組成物の体積当たり70%以下、しかし少なくとも0.1%で、組成物の中で用いられる。1つの実施態様において、構造成分は組成物の体積当たり60%以下で存在し、他の実施態様では体積当たり50%以下で、他の実施態様では体積当たり40%以下で、他の実施態様では体積当たり30%以下で、他の実施態様では組成物の体積当たり20%以下で存在する。多孔質の骨を構造成分として用いる模範的な実施態様において、多孔質の骨は組成物の体積当たり10〜50%で存在する。多孔質の骨を構造成分として用いる他の模範的な実施態様において、多孔質の骨は組成物の体積当たり0.1〜30%で、好ましくは10%で存在する。] [0047] 造血剤、血液形成剤および骨分子シグナリング成分を保持し、これらコンポーネントをゆっくりと放出させるキャリアー成分は、生体適合性の性質を持つことが知られている生体適合性の化合物はいかなるものであってもよい。これら因子のゆっくりとした放出によって、最大限の血管形成と骨形成の利益を提供する。参照:Tabata et al., 1998, Biomaterials 19:807。この目的に有用な成分の例としては、ゼラチンのヒドロゲル(Tabata et al.)、アルギン酸塩またはキトサンのビーズ、小胞または小嚢(Gaserod O, Smidsrod O, Skjak-Braek G., 1998, Biomaterials 19(20): 1815-25)、またはミセルが含まれる。先に話題にした通り、必要に応じて加えられるこの成分は、組成物に流動性の性質をも与えうる。これらの機能を与える好ましい成分としては、キトサンゲル等の、1つまたはそれ以上の生体適合性分子を基礎として作成されたゲルである。このゲルは、組成物の移動を防ぐ成分としても役に立ちえて(以下、参照)、これは血管形成刺激剤でもあるが故に有益でもある。ゲル成分は、キチン、キトサン、アルギン酸塩およびヒアルロン酸からなる群から選択されるいずれか等の生体適合性分子の混合物をも含むことができ、これら混合物にはアルギン酸塩とキトサンとの混合物、またはヒアルロン酸とキトサンとの混合物も含まれる。この関係では、多様な分子量および鎖長の様々なキトサン誘導体を含むキトサン誘導体またはその複合体も使用しうる。生体適合性分子のゼラチン基剤中の濃度が0.5〜25%(w/v)で、ゲル成分は組成物の体積当たり5〜80%で存在する。組成物の体積当たり5〜80%との前記範囲の中で、組成物の代わりの実施態様においては、組成物の体積当たりせいぜい50%で、組成物の体積当たりせいぜい30%で、組成物の体積当たりせいぜい20%で、および組成物の体積当たりせいぜい10%で、ゲル成分が組み入れられる。0.5〜25%(w/v)との前記範囲の中で、少なくとも20%、またはせいぜい15%、またはせいぜい5%、またはせいぜん3%のゼラチン基剤中の生体適合性分子を、ゲル成分は組み入れてもよい。組成物の模範的な実施態様において、1%または3%(w/v)の濃度のゼラチン基剤中の生体適合性分子を有するゲル成分が、組成物の体積当たりせいぜい20%で、好ましくはせいぜい10%で存在するように、含まれうる。容易に理解されるように、目標とする目的(例えば、標的組織の位置)に従って、組成物の全体としての密着が調節される。そのような調節は、まずは組成物全体におけるゲル成分の濃度と相対的な量を調節することで容易になされる。] [0048] 代替として、血液形成剤および/または骨細胞シグナリング成分は、マイクロカプセルの中に包んで、組成物に分散することもできる。マイクロカプセルは、例えばキトサンまたはキトサンとアルギン酸塩との混合物(Gaserod O, Smidsrod O, Skjak-Braek G., 同上)で、キシログルカン多糖類ゲル(Miyazaki et al., 1998, J. Controlled Release 56:75)で、またはヒアルロン酸塩、アルギン酸塩、キトサン、キトサンとアルギン酸塩との組成物、キトサンとヒアルロン酸との組成物、キトサンとアルギン酸塩とヒアルロン酸塩との組成物を含む群から選択されるコンポーネントから、自由に浮遊して、またはさらにより大きな小胞に含まれて(すなわち、小胞内の小胞)、構成することができる。このより大きな小胞は、同じ様々な成分から、または炭化水素から、および/または界面活性剤から、またはこれらの様々な成分から作り出される;または当技術分野で知られている他のいかなる生体適合性の処方。マイクロカプセル、ミセルまたはビーズを、組成物全体にわたり均一に分散してもよい。代わりに、マイクロカプセルを、組成物の一箇所であって、造血、血管形成または骨形成の刺激が最も有用である箇所に集結させることもできる。そのような箇所の例としては、存在している生きた骨に隣接する箇所があり、そこでは血管形成刺激剤が、生きた骨からの新血管系の製造を刺激することが期待されている。] [0049] 組成物は、それが設置された場所から組成物が移動して離れることを防ぐための物質をさらに含有してもよい。この物質としては、好ましくは、組成物が用いられる特定の用途に必要な形状に組成物を形作ることのできる半固形で成型可能な構成物である。再び、この成分は、組成物の他のコンポーネントの特徴をもたらして、流動性、血管形成作用、骨組織誘導性および/または骨細胞誘導性をも有することができる。この目的のために有用な成分としては、キトサン、ヒアルロン酸塩、アルギン酸塩、アルギン酸誘導体、ゼラチン、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、およびその他の有機および非有機の無機の塩、ビタミン、およびヒアルロン酸が含まれる。好ましいゲル形成成分としては、キトサン、およびイミダゾリルキトサンまたはメチルピロリジノンキトサン等のキトサン誘導体、アルギン酸塩、およびヒアルロン酸塩がある。これらの成分の組合せもまた、いかなる特定の用途に必要な密着を生み出すために有利に使用しても良い。これらの組合せにおける成分の構成比は、例えば、組成物のpH、または密着を調節するために、修正してもよい。] [0050] 前記の通り、特定の成分は、組成物の1つ以上のコンポーネントの機能を与えることができる。特に、血管形成/骨形成のゆっくりとした放出をするコンポーネントと、組成物の移動を阻害するコンポーネントとは、有利に1つの成分の中に合体させることができる。ヒアルロン酸、ヒアルロナン、またはキトサン、またはイミダゾリルキトサンもしくはメチルピロリジノンキトサン等のキトサン誘導体、またはアルギン酸塩は、そのような多くのコンポーネントの機能を提供しうる。望まれる組成物の厚さおよび流動特性と共に、望まれる血管形成増殖因子および骨形成増殖因子の放出速度をもたらすように、ヒアルロン酸、キトサンまたはアルギン酸塩の百分率は、これら組成物の中で調節される。前記の通り、組成物におけるヒアルロン酸および/またはキトサンはまた、完全にまたは部分的に、組成物における血管形成刺激のコンポーネントを与えることができる。加えて、造血刺激剤であるエリスロポエチンは、造血/血管形成/造骨の活性を刺激しうる。] [0051] この発明に有用なゲルの厚さは、組成物に存在する他の成分、特にリン酸三カルシウム、硫酸カルシウムおよび塩化カルシウム等のカルシウム含有成分によって、影響されることは知られている。例えば、キトサンゲルの厚さは、リン酸三カルシウムの存在によって影響されることが知られている。参照:米国特許5563124;5711957。また、アルギン酸塩ゲルの厚さは、塩化カルシウムの存在によって影響される。NBMは骨基質由来のリン酸カルシウムを保持しているため、キトサンゲルと結合して、ゲルを厚くし、また硬化させることができるカルシウムを、NBMが提供することになる。従って、もし、キトサンとNBMの双方を骨細胞シグナリングコンポーネントのために使用するのであれば、組成物中のキトサンゲルの厚さは、NBMの量の増加、またはNBMとDBMの比の増加によって、増加しうる。] [0052] キトサンまたはキトサン誘導体は、骨成長を刺激するために、単独(DBMまたはNBMの非存在)で用いることができる。特に、キトサンを主成分とする成分は、骨修復のための支持、橋架けまたは誘導をする構成物として用いることができ、固体または管状構成物を形成することができる。キトサンまたはキトサン由来のビーズまたは小胞は、造血剤、血管形成剤および骨細胞シグナリング成分を引きこもらせて、組織への放出を遅延させ、作用期間を延長させるのに、有用でありうる。アルギン酸塩またはヒアルロナンと組合わせたキトサンも、同様の機能を与えうる。] [0053] キチンを主成分とする成分もまた、同様の機能を与えうる。これらの構成物は、例えば、Jameela et al., 1995, Biomaterials 16:769-775に記載されているグルタルアルデヒド架橋結合方法を用いて製造することができる。同様の方法は、他の架橋結合されたキチンまたはキトサン成分(例えば、カルボジイミド、リジンおよびビニルによる架橋結合された同成分)の製造にも用いることができる。多方向に編まれてもしくは層状に重ねた様式に、これらのキチン、キトサンまたは誘導体の繊維を組み入れることで、さらなる強度が得られる。例えば、これら化合物の溶液を、望む形状(例えば、シート状、棒状、円柱状、管状等)に合わせて、例えば、真空もしくは加熱による乾燥、硬化、または無機物の塩の添加によって固めることができる。骨状の構造を有する多孔性の発砲体状のキチンまたはキトサンを主成分とする成分はまた、例えば、Thomson et al., 1995, J. Biomaterials Sci. 7:23-38に記載の方法で調製することができる。これらの固体成分は、移植の前または後に、キトサン溶液を染み込ませて構成物を満たし、接着性と強度を加えることもできる。] [0054] 本組成物は、ヒトまたは他の脊椎動物における骨の形成および成長が望まれる箇所に本組成物を適用する方法に有用である。本組成物はまた、例えば、外科手術(例えば、骨腫瘍の除去に伴って生じるもの)、外傷、または先天的な欠乏(例えば、口蓋裂の修復)による骨の欠損のある箇所に有用である。歯根膜の適用において、歯のインプラントの強化、および外科的に切断された顔面骨(例えば、形成外科における下顎骨)の修復のために本組成物を使用することが含まれる 同種移植片、または欠損を満たすために用いられた自家移植片の表面のコーティングとして、または移植片と自己の骨との接合部(移植片と受容者の界面)において、本組成物を適用してもよい。代わりに、本組成物は、ゲルとして、または堅い骨のような構成物(例えば、前記のように、キチンまたはキチン誘導体)として適用してもよく、または必要に応じて、望まれていない間隙を埋めるために、より流動性のある組成物で取り囲み、および/または染み込ませてもよい。この堅い構成物は、新しい骨がこの構成物に入れ替わるまで、骨の代わりとして強度と支持を与えるように役に立つことができる。これらの構成物は、例えば、ハチの巣状で管状または平たい構成物の形状を取って、骨の支柱として役立つこともできる。例えば、その管は、キトサン溶液で満たされ、切断された円柱状の骨の2つの端を架橋することもできる。この堅い構成物は、椎間の間隔を維持させるために、椎間融合または人工脊柱(例えば、椎間板の除去後)を形成するためにも有用である。] [0055] 骨は、例えば、元の骨から得られる、外形計画および生物測定による情報を用いて、実験室で複製することもできる。X線、CTおよびMRIの走査、ホログラフィー、デンシトメトリー屈折等の様々な撮像技術を利用することで、特定の骨(例えば、大腿骨骨頭、または中手骨)の構造、密度、形状、輪郭、強度等が、本組成物を使って複製され、機能を持った組成物として入れることができる。参照:例えば、Zentner et al., 1996, Angle Orthodontist 66:463;Ko, 1998, J. Neurosurg. 88:777;Katz et al., 1998, Med. Eng. & Physics 20:114;Abe et al., 1998, Neurologia Medico-Chirurgica 38:746。人工膝または人工臀部等の関節のある構造のコンポーネントも、これら組成物を用いて組み立てることができる。これらの関節のある構造は、例えば、ここに記載する堅い骨の成長促進をする組成物、例えば米国特許5837258に記載された方法で誘導された軟骨、および、例えばChandy et al., 1990, Biomat. Art. Cells, Art. Org. 18:1-24またはRao et al., 1997, J. Biomed. Mat. Res. 34:21-28に記載のようにキトサン膜から作られるカプセルを、含有することができる。本組成物の血管形成、骨組織誘導性および骨細胞誘導性の性質によって、本組成物で作られる人工骨構成物は究極的には新しい受容者の骨に入れ替わることが期待されている。] [0056] 本組成物はまた、骨折箇所において治癒を早めるために使用してもよく、または膝または臀部の入替え等の自己の骨と移植片の間の接合において人工器官のゆるみを防ぐために使用してもよい。特に、骨折(例えば、脊椎、臀部または手首)への本組成物の使用は、骨粗鬆症患者のために適応してもよい。というのも、本組成物の血管形成および骨形勢の性質は骨粗鬆症の骨を有利に強化することが期待できるであろうからである。] [0057] 本組成物は、骨粗鬆症患者の骨折を防ぐための予防処置として用いてもよい。多くの骨粗鬆症の骨はまた、造血組織が劣っている。多くの骨粗鬆症患者は、慢性型の貧血を有している。この実施態様において、骨粗鬆症患者における骨折リスクのある骨は、まず骨密度を測定することで識別される。骨密度は、MRI、X線、CT走査、デュプレックス超音波、または本技術分野においてこの目的に知られている他の撮像装置を用いて測定される。骨折のリスクの度合いは、その後、骨密度測定結果に基づいて評価される。骨折のリスクが最も高い骨は、その後、本発明の組成物で、骨折のリスクが最も高い箇所の骨に直接、本組成物を注入することで処置される。これらの注入を実施するために好ましい装置としては、米国特許仮出願60/132852に記載のものがあり、その記載はその全体が参考として本出願に組み込まれる。本組成物はカニューレを通して、骨の中に注入されなければならないため、注入される本組成物は、骨の欠損に直接適用する組成物に比べるとより薄くなければならない。] [0058] 本組成物には様々な処方が存在しうる。本発明の有用な組成物の例としては、造血剤としてのエリスロポエチンが1〜50000単位で、または体積で0.1〜1%で存在し;血管形成剤としてのヒアルロン酸が体積で10%〜50%で存在し;骨細胞シグナリング成分が、組成物の体積当たり5〜40%で存在する鉱質除去された骨基質(DBM)と、組成物の体積当たり5〜30%で存在する脱灰されていない骨基質(MBM)との組合せであり;構造成分が、長径が0.1〜1.5mmに粉砕され、体積で10〜40%で存在する多孔質の骨であり;および、ゲル成分が、キチン、キトサン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、アルギン酸塩とキトサンとの混合物、またはヒアルロン酸とキトサンとの混合物、またはヒアルロン酸塩、キチン、キトサン、およびアルギン酸塩からなる群から選択される物質を0.5〜5%(w/v)濃度で含み、体積で10〜80%で存在する、組成物である。望む特定の機能に従って、処方は変更されてよい。例えば、本組成物を大きな欠損を満たすために用いる場合は、発達中の血管系および骨を支持する構造を提供するために、相対的に多量の構造成分を与える処方が用いられる。そのような組成物の例としては(すべての百分率は組成物の体積当たりの百分率を示す)、多孔質の骨、40〜50%、好ましくは40%;DBM、5〜30%、好ましくは10%;NBM、5〜30%、好ましくは10%;ヒアルロン酸 10%〜50%、好ましくは30%;エリスロポエチン 3000単位または1%より低い。本組成物の他の例としては、多孔質の骨、40〜50%;DBM、5〜30%;NBM、5〜30%;ヒアルロン酸 10%〜50%;キトサン 0.1%〜20%;およびエリスロポエチン 30000単位または2%より低い。そのような処方の模範例は、多孔質の骨、40%;DBM、10%;NBM、10%;ヒアルロン酸 30%;キトサン 5%;およびエリスロポエチン 30000単位または2%より低い。] [0059] 骨折箇所、または同種移植片もしくは自家移植片の周辺等の、支持構造が必要ではないところで、本組成物を骨成長を刺激するために使用するのであれば、最低限の量の構造成分が用いられる。しかし、相対的に多量の血液形成因子、または複数の血液形成因子の組合せを用いることが、骨折または移植片と受容者の界面の位置での急速な融合を促進するため、有利でありうる。相対的に多量のゲル形成成分も、組成物の最小限の移動を確実なものにするため、この状況では有利でありうる。そのような組成物の例としては、(すべての百分率は体積当たりの百分率を示す)、多孔質の骨、0.1〜30%、好ましくは10%;DBM、5〜15%、好ましくは10%;NBM、5〜15%、好ましくは10%;ヒアルロン酸10%〜50%、好ましくは30%;エリスロポエチン3000単位または組成物の1%より低い;および、キトサンゲル3〜10%(w/v)、組成物の20〜90%で存在、好ましくは5%(w/v)ゲル、組成物の40%で存在。] [0060] 他の実施態様において、骨のリモデリングと同時に、巨核球形成、血小板形成および血小板発達を重要視して、骨髄性の成分の刺激のために、本組成物を処方することができる。この実施態様において、組成物は、巨核球形成と血小板形成の活性を持つ、グリコソアミノグリカン(GAG)またはプロテオグリカンを含有する。例えば、そのような処方で適したものとしては、巨核球形成と血小板形成の活性を持つ1つまたはそれ以上のグリコソアミノグリカン(GAG);1つまたはそれ以上の血管形成剤;鉱質除去された骨基質および脱灰されていない骨基質を含み、必要に応じてヒアルロン酸と組み合わされる成分(ここで、硬質除去された骨基質は、組成物の5〜50%で存在する。脱灰されていない骨基質は、組成物の5〜50%で存在する。);多孔質の骨を含む構造成分(ここで、多孔質の骨は、長径が0.1〜1.5mmに粉砕されており、組成物の10〜50%で存在する。);および0.5〜25%(w/v)濃度で、組成物の体積当たり10〜80%で存在するゲル成分(ここで、すべての百分率は組成物の体積当たりの百分率を示す)、の組合せである。好ましい組成物としては、例えば、10%のDBM、10%のNBM、10%の構造成分(例えば、多孔質の骨)、50000単位の1つまたはそれ以上の造血剤、2%のGAG、18%の血管形成剤、および50%のゲル成分を含み、必要に応じて、小胞、ミセル等の形体のゲル成分も含む。] [0061] そのような処方に適したGAGとしては、造血因子、デルマタン、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン、ヒアルロン酸、ヒアルロナン、キチン、キトサンおよびアルギン酸塩を含む。本処方に適した血管形成剤としては、アンギオゲニン、血管内皮細胞増殖因子、キチン、キトサン、キトサンの誘導体および複合体;ヒアルロン酸、ヒアルロナン、ヒアルロナンの誘導体または複合体;アルギン酸塩、アルギン酸塩の誘導体または複合体、これらの組合せ、例えば、キチンまたはキトサンとヒアルロン酸またはヒアルロナンとの組合せ、アルギン酸とヒアルロン酸またはヒアルロナン誘導体との組合せ、またはキチンまたはキトサンとヒアルロン酸またはヒアルロナンおよびアルギン酸塩との組合せである。ゲル成分は、例えば、キトサン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、アルギン酸塩とキトサンとの混合物、またはヒアルロン酸とキトサンとの混合物で作り出される。] [0062] 少なくとも1つの造血剤または骨分子シグナリング成分は、ヒアルロン酸塩、アルギン酸塩、キトサン、キトサンとアルギン酸塩との組成物、キトサンとヒアルロン酸との組成物、キトサンとアルギン酸塩とヒアルロン酸塩との組成物を含む群から選択されるキャリアー成分コンポーネントの中に、自由に浮遊して、またはさらに小胞に封入されて、またはカプセルに入れられる。この小胞は、同じ様々な成分から、または炭化水素から、および/または界面活性剤から、またはこれらの様々な成分の組合せから作り出される(すなわち、より大きな小胞内の小胞)。例えば、キャリアー小胞は、キトサン、アルギン酸塩、またはヒアルロナンから形成され得て、1つまたはそれ以上の造血剤を小胞の内部に蓄えて運ぶよう設計することができる。代わりに、適用された位置からの組成物の移動を最小限にすることを保障する、他の方法も使用しうる。例えば、アルギン酸塩の添加剤にカルシウムを局所適用すると、組成物がその場所に留まるようになり、組成物の流動性を減らす。実験データによれば、本組成物を骨の損傷箇所に局所適用した後、アルギン酸塩の添加剤にカルシウムを添加することで組成物が保持されるとの性質を有することが示された。] [0063] 付加的に、ビタミンA、ビタミンB複合体、ビタミンC、ビタミンDおよびビタミンEの群から選択される、一群の成長と細胞生存の共刺激剤が、機能の最大化のために必要な細胞または組織環境を刺激し、および維持するために、組成物に加えうる。存在する場合は、そのような共刺激剤は、組成物の体積当たり3%以下で、しかし組成物の体積当たり少なくとも0.1%で存在する。] [0064] さらに、組成物は、酢酸、アスコルビン酸、リン酸、アセチルサリチル酸、塩酸、硝酸、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩の群から選択される、組成物のpHを調節する1つまたはそれ以上の成分を含みうる。組成物のpHは、骨の成長をさらに促進させるために、約4.0〜約8.0の値、好ましくは約6.0〜約8.0の値、より好ましくは約7.4より低く(しかし、依然として少なくとも約6.0)、さらにより好ましくは約7.0より低く、例えば約6.8に、当技術分野で知られているように調節することができる。代わりに、より低いpHの値、例えば、約4.0〜約5.0は、血管内の組織が関係している場合、組織の再成長を刺激するという点で好ましい。] [0065] 付加的に、マグネシウム、マンガン、亜鉛、コバルト、鉄、ヨウ素、セレン、クロム、フッ化物、モリブデン、銅、リン酸塩、珪素、ストロンチウム、その他およびこれらの塩等の微量無機物を、微量、組成物に添加してもよい。その微量成分が含まれる場合、それは組成物の体積当たり1%以下で存在する。] [0066] 表1は、ここに説明されている骨セメントの様々な具体例における各々の成分の相対的な含有率を示す。表に関しては、以下の通りである。 %:重量/体積(W/V)、重量/重量(W/W)または体積/重量(V/W)を表す; COMP:組成物; EPO:造血剤(赤血球系造血剤); ANGIO:血管形成剤; SIGMOL:骨細胞シグナリング剤; SCAFF:構造成分; GEL:ゲル形成物質およびキャリアー; VES:これらのキャリアーの構成物を作る、小胞、小嚢、ミセルまたは物質; pH:1つまたはそれ以上の物質は、組成物のpHまたは酸/塩基の均衡を調整して使用した;および COFAC:活性成分の補助因子または環境調整剤である1つまたはそれ以上の物質。] [0067] 以下の表は、本発明の好ましい具体例を例示するために含まれている。記載された詳細な具体例において多くの改変をなすことができること、およびそれにも関わらず、同様または類似の結果を、本発明の精神と範囲から離れることなく、得ることができることは、当技術分野の知識を有する者には十分に認識されるべきである。従って、説明されたすべての事項は、限定的な意味を有さず、例示として解釈されなければならない。] [0068] ] [0069] ] [0070] 前述の詳細な説明は、本発明を実施するに当たり、当技術分野の知識を有する者を手助けするために提供されている。しかし、これら具体例は本発明の種々の側面の例示することを意図しているため、ここに記載されて請求された発明は、ここに記載された詳細な具体例によって範囲を限定されてはいけない。すべての均等な実施形態は本発明の範囲の中にあることが意図されている。実際、本発明においてここに示されて記載されたものに変更を加えた様々なものは、本発明の発見の精神または範囲から離れない限り、当技術分野の知識を有する者には、前記の説明から明白であろう。このような変更もまた、添付の請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されている。] 実施例 [0071] 本出願に引用されている、すべての文献、特許、特許出願およびその他の参考文献は、すべての目的でその全体が参考として本出願に組み込まれる。それは、各々の文献、特許、特許出願またはその他の参考文献が、限定しておよび個別にすべての目的でその全体が参考として組み込まれるのと同じ程度である。この参考文献の引用は、本発明についての先行技術であることを認めたとして解釈されてはいけない。]
权利要求:
請求項1 (a)少なくとも1つの造血剤;(b)少なくとも1つの血管形成剤;(c)骨分子シグナリング成分;(d)多孔質の骨を含む構造成分;および(e)ゲルコンポーネント、を含有する組成物。 請求項2 該ゲル成分が、組成物の体積当たり10〜80%で存在する請求項1記載の組成物。 請求項3 該ゲルコンポーネントが、キチン、キトサン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸およびこれらの組合せからなる群から選択される成分を0.5〜25%(w/v)濃度で含み、該ゲルコンポーネントが組成物の体積当たり10〜80%で存在する請求項1記載の組成物。 請求項4 該骨分子シグナリング成分が、鉱質除去された骨基質、脱灰されていない骨基質、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項1記載の組成物。 請求項5 該骨分子シグナリング成分が、鉱質除去された骨基質、脱灰されていない骨基質、および必要に応じてヒアルロン酸を含む(ここで、該硬質除去された骨基質は組成物の体積当たり5〜50%で存在する。該脱灰されていない骨基質は組成物の体積当たり5〜50%で存在する。)請求項3記載の組成物。 請求項6 ヒアルロン酸が、組成物の体積当たり5〜30%で存在する請求項5記載の組成物。 請求項7 該少なくとも1つの造血剤が、エリスロポエチン、エリスロポエチン増殖因子、造血因子および造血刺激因子(hematogenous-stimulating factors)からなる群から選択される請求項1記載の組成物。 請求項8 該少なくとも1つの血管形成剤が、アンギオゲニン、血管内皮細胞増殖因子、キチン、キトサン、キチンの誘導体および複合体、キトサンの誘導体および複合体;ヒアルロン酸塩、ヒアルロナン、ヒアルロナン誘導体、ヒアルロナン複合体;アルギン酸塩、アルギン酸塩誘導体、アルギン酸塩複合体、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項1記載の組成物。 請求項9 該構造成分が、長径が約0.1〜1.5mmに粉砕され、組成物の体積当たり10〜50%で存在する多孔質の骨である請求項1記載の組成物。 請求項10 少なくとも1つの造血剤、少なくとも1つの血管形成剤、骨分子シグナリング成分、多孔質の骨を含む構造成分およびゲルコンポーネントをカプセルに包むキャリアーをさらに含有する請求項1記載の組成物。 請求項11 該カプセルに包むキャリアーが、小胞およびミセルからなる群から選択されるキャリアーの構成物を含んでいる(ここで、該キャリアーの構成物がヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、アルギン酸塩、キトサン、炭化水素、界面活性剤およびこれらの組合せからなる群から選択される化合物で形成されている。)請求項10記載の組成物。 請求項12 該造血剤がエリスロポエチンを含み;該血管形成剤がキトサンまたはキトサン誘導体を含み;該鉱質除去された骨基質が組成物の体積当たり10%以上で存在し;該多孔質の骨が組成物の体積当たり10%以上で存在し;およびゲル成分が1%(w/v)濃度のキトサン、アルギン酸塩またはそれらの組合せである請求項1記載の組成物。 請求項13 a.該造血剤がエリスロポエチン、造血因子、またはこれらの組合せからなる群から選択され;b.該血管形成剤がキトサンおよびその誘導体からなる群から選択され;c.該骨細胞シグナリング成分が、少なくとも10%で存在する鉱質除去された骨基質を含み;d.該多孔質の骨が少なくとも10%で存在し;およびe.ゲル成分が3%(w/v)を超える濃度のヒアルロン酸、ヒアルロナンまたはこれらの組合せである、請求項1記載の組成物。 請求項14 該血管形成剤がキトサンまたはその誘導体を含み;該骨細胞シグナリング成分が体積で少なくとも10%で存在する鉱質除去された骨基質を含み;該多孔質の骨が体積で少なくとも10%で存在し;およびゲル成分が、ヒアルロン酸、ヒアルロナン、これらの組合せ、およびヒアルナンとキトサンとの組合せからなる群から選択される成分を少なくとも20%(w/v)の濃度で含む、請求項13記載の組成物。 請求項15 該赤血球系造血剤がエリスロポエチンおよび/または1つまたはそれ以上の付加的な造血因子を含み;該血管形成剤がキトサンまたはその誘導体を含み;該骨細胞シグナリング成分が体積で10%〜50%で存在する鉱質除去された骨基質を含み;該多孔質の骨が体積で10%〜50%で存在し;およびゲル成分が3%(w/v)以下の濃度のアルギン酸塩またはアルギン酸塩とキトサンとの混合物である、請求項13記載の組成物。 請求項16 該赤血球系造血剤がエリスロポエチンおよび1つまたはそれ以上の付加的な造血因子を含み;該血管形成剤がアンギオゲニン、血管内皮細胞増殖因子、キトサンまたはその誘導体を含み;該骨細胞シグナリング成分が体積で10%〜50%で存在する鉱質除去された骨基質を含み;該多孔質の骨が体積で10%〜50%で存在し;およびゲル成分が3%(w/v)の濃度のヒアルロン酸またはヒアルロン酸とキトサンとの混合物である、請求項13記載の組成物。 請求項17 a.エリスロポエチン、エリスロポエチン増殖因子および造血因子からなる群から選択され、組成物の体積当たり10〜50000Uまたは3%以下の量で存在する、1つまたはそれ以上の造血剤;b.中分子量〜高分子量のキトサンコンポーネントおよびヒアルロン酸コンポーネントからなる群から選択される1つまたはそれ以上の血管形成剤;c.鉱質除去された骨基質および脱灰されていない骨基質を含み、必要に応じてヒアルロン酸と組合される骨細胞シグナリング成分(ここで、該硬質除去された骨基質は組成物の体積当たり5〜50%で存在する。該脱灰されていない骨基質は組成物の体積当たり5〜50%で存在する。ヒアルロン酸が存在する場合、ヒアルロン酸は組成物の5〜20%で存在する。);d.多孔質の骨を含む構造成分(ここで、該多孔質の骨は長径が0.1〜1.5mmに粉砕され、組成物の体積当たり10〜50%で存在する。);およびe.キトサン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸およびこれらの組合せからなる群から選択される化合物を0.5〜25%(w/v)濃度で含むゲル成分、を含有する骨セメント組成物。 請求項18 該1つまたはそれ以上の血管形成剤が、キトサン、キトサン誘導体およびキトサン複合体からなる群から選択される中分子量〜高分子量のキトサンコンポーネントを含む請求項17記載の組成物。 請求項19 該1つまたはそれ以上の血管形成剤が、硫酸化されたヒアルロン酸成分と、硫酸化されていないヒアルロン酸成分の混合物を含むヒアルロン酸コンポーネントを含む請求項17記載の組成物。 請求項20 a.該1つまたはそれ以上の造血剤が、組成物の体積当たり5%より少ない量で存在し;b.該キトサンコンポーネントが、中分子量〜高分子量であり、該ヒアルロン酸コンポーネントが硫酸化されたヒアルロン酸コンポーネントと硫酸化されていないヒアルロン酸コンポーネントの混合物を含んでおり、該キトサンコンポーネントが組成物の体積当たり5%以下で存在し;c.該骨細胞シグナリング成分が、組成物の体積当たり45%以下で存在する鉱質除去された骨基質、および組成物の体積当たり45%以下で存在する脱灰されていない骨基質を含み;d.該構造成分が、組成物の体積当たり40%以下で存在する多孔質の骨を含み;およびe.ゲル成分が、組成物の体積当たり10〜30%で存在する、請求項17記載の組成物。 請求項21 a.キトサン、アルギン酸塩およびヒアルロナンからなる群から選択される少なくとも1つの成分を含むキャリアーのカプセルに包まれる少なくとも1つの造血剤(ここで、キャリアーは、造血剤を続けてゆっくりと放出するよう設計されている);b.少なくとも1つの血管形成剤;c.組成物の体積当たり5〜50%で存在する鉱質除去された骨基質、組成物の5〜50%で存在する脱灰されていない骨基質、および必要に応じてヒアルロン酸を含む骨細胞シグナリング成分;d.多孔質の骨を含む構造成分(ここで、該多孔質の骨は長径が0.1〜1.5mmに粉砕され、組成物の10〜50%で存在する。);およびe.キトサン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、アルギン酸塩とキトサンとの組合せ、およびヒアルロン酸とキトサンとの組合せからなる群から選択される成分を0.5〜25%(w/v)濃度で含むゲルコンポーネント(ここで、該ゲルコンポーネントは組成物の体積当たり10〜80%で存在する)、を含有する組成物。 請求項22 a.該造血剤が、エリスロポエチン、エリスロポエチン増殖因子および造血因子からなる群から選択され、該造血剤が組成物の体積当たり5%以下の量で存在し;b.該少なくとも1つの血管形成剤が、中分子量〜高分子量のキトサンまたはその誘導体の少なくとも1つ、およびヒアルロン酸またはその誘導体(硫酸化された誘導体および硫酸化されていない誘導体を含む)の少なくとも1つを含む組合せを含み、該組合せが組成物の体積当たり5%以下で存在し;c.該骨細胞シグナリング成分が、組成物の体積当たり45%より少ない量で存在する鉱質除去された骨基質、および組成物の体積当たり45%より少ない量で存在する脱灰されていない骨基質を含み;およびd.該構造成分が、組成物の40%以下で存在する、請求項21記載の組成物。 請求項23 巨核球形成および血小板形成の活性を有し、デルマタン、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン、ヒアルロン酸、ヒアルロナン、キチン、キトサンおよびアルギン酸塩からなる群から選択される、1つまたはそれ以上のグリコソアミノグリカン(GAG)またはプロテオグリカンをさらに含有する請求項21記載の組成物。 請求項24 少なくとも1つの造血剤、血管形成剤、骨分子シグナリング成分、多孔質の骨を含む構造成分およびゲルコンポーネントをカプセルに包むキャリアー(ここで、該キャリアーはゲルコンポーネントの体積当たり5%〜80%で存在する。)をさらに含有する請求項21記載の組成物。 請求項25 該キャリアーが、小胞、小嚢およびミセルからなる群から選択される構成物を含んでいる請求項24記載の組成物。 請求項26 該キャリアーが、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、アルギン酸塩、キトサン、炭化水素、界面活性剤およびこれらの組合せからなる群から選択される成分を含む請求項24記載の組成物。 請求項27 a.組成物の体積当たり3%以下で存在する少なくとも1つの細胞性の補助因子;b.組成物の体積当たり1%以下で存在する少なくとも1つの微量成分;およびc.組成物のpHを約4.0〜約8.0の値に調整するための少なくとも1つのpH調整剤、をさらに含む請求項24記載の組成物。 請求項28 該少なくとも1つのpH調整剤が、酢酸、クエン酸、アスコルビン酸、リン酸、アセチルサリチル酸、塩酸、硝酸、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩および硫酸塩からなる群から選択される請求項27記載の組成物。 請求項29 該少なくとも1つの細胞性の補助因子が、ビタミンA、ビタミンB複合体、ビタミンC、ビタミンDおよびビタミンE、またはこれらの組合せからなる群から選択される請求項27記載の組成物。 請求項30 該少なくとも1つの微量成分が、マグネシウム、マンガン、亜鉛、コバルト、鉄、ヨウ素、セレン、クロム、フッ化物、モリブデン、銅、リン酸塩、ストロンチウム、珪素、その他およびこれらの塩からなる群から選択される請求項27記載の組成物。 請求項31 a.1%以下の1つまたはそれ以上の造血剤;b.2%以下の1つまたはそれ以上の血管形成剤;c.70%以下の構造成分;d.40%以下の骨分子シグナリング成分;およびe.20%以下のゲル成分、を体積百分率で含有する骨セメント組成物。 請求項32 該1つまたはそれ以上の血管形成剤が、組成物の1%以下で存在する請求項31記載の骨セメント組成物。 請求項33 該構造成分が、組成物の60%以下で存在する請求項31記載の骨セメント組成物。 請求項34 該構造成分が、組成物の40%以下で存在する請求項31記載の骨セメント組成物。 請求項35 該骨分子シグナリング成分がヒアルロン酸塩とキトサンとの組合せを含み、該ヒアルロン酸塩が組成物の体積当たり20%以下で存在し、該キトサンが組成物の体積当たり20%で存在する請求項31記載の骨セメント組成物。 請求項36 該ヒアルロン酸塩が組成物の体積当たり10%以下で存在し、該キトサンが組成物の体積当たり10%で存在する請求項35記載の骨セメント組成物。 請求項37 該骨細胞シグナリング成分が、さらにDBMとNBMとの組合せを含み、該DBMと該NBMは一緒になって組成物の体積当たり20%以下で存在する請求項36記載の骨セメント組成物。 請求項38 該DBMと該NBMは一緒になって組成物の体積当たり10%以下で存在する請求項37記載の骨セメント組成物。 請求項39 該ヒアルロン酸塩が組成物の体積当たり5%以下で存在し、該キトサンが組成物の体積当たり5%で存在する請求項38記載の骨セメント組成物。 請求項40 該ゲル成分が組成物の体積当たり10%以下で存在する請求項31記載の骨セメント組成物。
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